やっぱり美味しそう

やっぱり美味しそう

日本食を広めたい、でも中々うまくいかない

かもめ食堂では日本食、その美味しさを知ってもらいたいという女性が発起して単身フィンランドにて開業する話となっています。どうしてフィンランドなんだろうと思うところもありますが、開店当初は正直繁盛とは程遠い閑古鳥が無く日々でした。日本食文化の素晴らしさを知ってもらいたい、意気込みだけが空回りするサチエにミドリが合流して各々衝突しながら方針を考えていく。そしてもう一人、空港で荷物を無くしてほとほと困っていたマサコが来たことで女三人の異国食堂経営が始まる。

最初は外から怪訝そうに眺めるだけだったお客さんも、サチエが頑固に日本食しか作らなかったところを折れて、気まぐれにシナモンロールを作ってみると匂いにつられてお客さんがやってくるようになります。こちらの作品でもまた、料理で人を繋ぐわけだが相手は異文化の人間だ。

日本食を知らない人にしたら味も知れたものではないが、シナモンロールをきっかけにして話題を呼ぶようになる。かもめ食堂の料理には、深夜食堂にはない魅力が込められています。

登場する料理の数々

作中にてフィンランド人が日本食と邂逅するシーン、序盤は不味そうに見ているのが印象的だ。それもそうだ、見たことも聞いたこともない料理を出されても美味しいと感じるかは異なる。日本人が海外の食事に慣れるかどうかも人の味覚ありきで違ってくる。良さを知ってほしい、けれど足がかりとしてはいきなり日本食ではハードルが高すぎた。それを理解したサチエが店舗での味を知ってもらおうとして打開策として作ったのが、『シナモンロール』だった。

北欧などでは定番

シナモンロールは北欧や北アメリカ、中欧などではごく当たり前に食されているペストリーの一種です。シナモンの香りあふれるそのパンはスウェーデンで生み出されたものと言われており、フィンランドなどの国々では定番となっている。

初めて作ったそのパンのおかげで店に訪れる人が増え始め、やがて店内の飲食メニューにも興味関心を抱く人が増えていった。そこで提供される食事は日本の家庭で見られる、ごくありふれた食事が出てきます。

日本食の数々

おにぎり

かもめ食堂のウリで、一番のメインメニューとして提供したかったものが『おにぎり』だ。サチエとしてもなんとかしてメインにしたかったものの、受けがあまり悪かったため後々劇中に登場する機会は減ってしまった。日本人にしたらごく普通の食事だが、海外の人にすれば海苔に包まれた奇っ怪な三角メシと取られているのかもしれません。

鮭の塩焼き

日本食といえば魚ではないだろう、中でも作中でサチエが提供するのは『鮭の塩焼き』という超定番メニューだ。網焼きでじっくりと焼き上げるそれは、見るだけでやっぱり唾が出てきてしまいます。最初こそ提供されたお客さんたちは疑惑に満ちた視線で見つめながら食べてみると、頷くようにして頬張っていきます。観客にとっては生殺しともいえる瞬間だ。

豚の生姜焼き

魚が来たら肉で、『豚の生姜焼き』が挙げられます。日本人にすれば甘辛いタレで焼き上がった豚肉を食べる、というのも定番だ。ただ日本食を味わってもらうとしたら、やはりこちらもフィンランドの人にしたら中々異形の産物といえるのかもしれません。

個性派女優たちによる作品としても

料理も確かに見どころですが、主演を務めている『小林聡美さん』・『片桐はいりさん』・『もたいまさこさん』という方々で彩られている。小林聡美さんがサチエを、片桐はいりさんがミドリを、そしてもたいまさこさんがマサコを演じられています。一番気になったのは、一番最後のほうで本編に合流したもたいまさこさんがやたらと美味しいところを持っていく場面が連続すると思うのですが、それだけお笑い要因なのかもしれません。

少々ネタバレをすると、荷物が見つかって日本にいざ帰ろうと去ってもあくる日にはひょっこり戻ってきてまたかもめ食堂で働き始めるのだ。ただやはりこの映画でも食堂を舞台にしたのんびりライフがかいま見える。これぞ究極のスローライフ、そう言えるでしょう。